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2021年 3月月次祭 大教会長挨拶

 一言挨拶をさせて頂きます。本日は、春らしい穏やかなお日柄を頂いて、皆さんそれぞれお忙しい中を、また、コロナウイルスの影響の中をも、遠近を問わず三月の月次祭にご参拝を頂き、誠に有難うございました。また、日々はお道の御用の上にご丹精を下さり、誠に有難うございます。大教会のこの辺も寒い冬がようやく終わりを告げて、春の暖かな陽気を心地よく感じさせて頂いております。

 昨日の夜に、ふと今日は何の日なのかとインターネットで調べて見ましたら、1992年12月に国連の総会に於いて、毎年三月二十二日今日の日を、「世界水の日」として定められたとのことでした。毎年この日には世界のさまざまな国で、水の大切さをたくさんの人達に知ってもらう為の会議やセミナー、展示会などが開かれています。今世界ではおよそ二十一億人の人達が、必要な時に自宅で綺麗な水を飲むことができず、また、およそ四十五億人もの人達が、安全に管理されたトイレを使用することができません。この「世界水の日」は、水のことで悩む人達へ、どうしたら安全で綺麗な水を届けることができるのかを、考えるきっかけとなる日とのことでした。

 私は自分自身の中で、世界でたくさんの人達が食べるに食べられず、食料難で困っていることは知っていましたが、水のことでこんなにもたくさんの人が、困っていることを正直知りませんでした。私は毎日のくらしの中で、水の大切さはわかりますので、もったいなくならないよう節水に心掛けていましたが、世界でこんなにもたくさんの人達が水のことで悩んでいることを知り、節水や水の大切さを感じるだけでなく、当たり前のように水を使えることに、もっともっと感謝をしなくてはいけないと、「世界水の日」を通して改めて気づかせて頂きました。

 今月の十一日には、東日本大震災が発生をして十年が経ちました。この震災では、津波と東京電力第一原発事故という複合被害で、関連死を含めて二万人近くの方がお亡くなりになり、現在も約二千五百人の方の行方がわかっていません。そして、約四万人の方が今も避難をされていて、大変な思いをされております。

 私はこの震災が発生した時にはまだ東京にいましたので、家財道具が倒れたり、停電の心配やガソリンの給油ができなかったりと、少しの被害と不自由があっただけで、大難を小難にして頂きました。そして、その後被災地の方の為に何かできないかと、城山の青年会の仲間や、東京の支部の仲間と、復興のひのきしんをさせて頂きました。私もこの当初は、被災地の為に何かできないか、慎みのあるくらしをさせて頂こうと心掛けておりましたが、一年が経ち三年が経ち五年が経ち十年が経ちと、時間と共に段々と被災地から心が離れ、他人事のようになってしまったと思います。しかし、十年が経過した今も、まだたくさんの方が被災されており、自分自身がどれだけ結構なくらしをさせて頂いているのかということに、改めて気づかせて頂きました。震災発生から十年という節目を迎えた今、改めて被災地に心を向けさせて頂き、一日も早い復興をお願いさせて頂きたいと思います。

 さて、現在もコロナウイルスの影響から、自粛や感染対策と行動が制限がされる中、窮屈な思いをされているところだと思います。そして、このようなことから、今まで当たり前のようにしてきたことが出来ませんので、自分の目標にしていることを、見失ってしまう時でもあると思います。

 目標を持つことの必要性を調べて見ましたら、「目標を持てるかどうかは、何かを達成できた時の達成感につながります。目標が明確であればあるほど、それにつながる小さな成功にも満足することができ、達成感を得ることができます。反対に、目標が明確になっていないと、小さな成功もその時だけのものとしてとらえてしまい、自分がどんな一歩を積み重ねたのか理解できず、不満が募りやすくなってしまいます。」と、ありました。このように、目標を持つことの大切さがわかります。 

 コロナウイルスの発生から、私もそうなんですが、この先どうなってしまうのかと思う先案じや、自粛の中で足りないことを悪く思う不足をし、何か勇めないなと思うことが多いと思います。そして、このようなことでは申し訳ないと感じながらも、コロナウイルスの影響を言い訳にして、自分の与えられているつとめや、目標にしてることをためらってしまっている部分もあるかと思います。しかし、ためらってばかりでは気持ちが後ろ向きになってしまい、前に進むことはできません。ですから、このような時こそ、前向きな目的意識を持って、日々コツコツと地道に通らせて頂くことが大切であると思います。城山につながる私達には、創立百三十周年記念祭という大きな目標ができましたので、コロナウイルスの影響の中をも、この目標に向かって、日々をしっかりと通らせて頂きたいと思います。

 明日には、春の霊祭をつとめさせて頂きます。私達お互いが、今日こうして結構に通らせて頂いているのは、先代の霊様・親々の伏せ込みと、お徳のお蔭であると思います。そして、そのご恩にお応えさせて頂けるよう、明るく陽気な教会や・明るく陽気な家庭にならせて頂くことを、お誓いさせて頂くのが霊祭であると思います。どうか、明日の春の霊祭を、霊様のご生前中のご功績に御礼を申し上げ、感謝の心を持ちながら、厳かに心ひとつにつとめさせて頂きたいと思います。

 最後になりますが、私が四月から六月までの三ヶ月間、修養科生のお世話どりをさせて頂く一期講師をつとめさせて頂きます。今回二回目の一期講師でありますので、前回学ばせて頂いた経験を活かし、城山の代表として、おぢばにしっかりと伏せこまさせて頂きたいと思っております。三ヵ月間留守をさせて頂きますが、その間お力添えを頂きますことをくれぐれもお願いさせて頂いて、本日の挨拶とさせて頂きます。誠に有難うございました。