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2022年 8月月次祭 大教会長挨拶

 本日皆さんには夏の暑さ厳しい中と、尚も長引くコロナウイルスによる影響の中を、遠近を問わず八月の月次祭にご参拝をいただきまして、誠に有難うございました。そして、日々は皆さんそれぞれの立場の上からお道のご用の上にご丹精を下さり、重ねて有難うございます。

 立秋を過ぎて暦の上では秋とはいえ、連日のように三十度を超える真夏日が続いてますので、厳しい暑さと向き合いながら、過ごされているところだと思います。今年も夏のこどもおぢばがえりが開催中止となりましたが、しかし、そんな中をコロナウイルスの影響が始まってから、三年振りに少し賑やかなおぢばを感じることができました。この夏城山からは五つの教会の団体で、少年会員十三名、育成会員十六名、計二十九名の皆さんにおぢばにおかえりいただくことができました。また、学生生徒修養会高校の部には三名の学生さんに参加をいただき、二名の学生さんが別席を運んでくれました。そして、静岡県の中学校のサッカーチーム十八名の子供達が、合宿を通しておぢばにかえって下さいました。この夏コロナウイルスの影響が深刻な中でも、子供達の笑顔を見ることができ、久しぶりにおぢば・詰所が賑やかになりましたので、本当に有難く思いました。期間中詰所の受け入れひのきしんをつとめていただき、有難うございました。どうか、これからも、そして、記念祭に向かうこの旬に、一人でも多くの方に親神様・教祖がお待ち下さるおぢばへと、おかえりいただきたいと思います。

 さて、夏と言えば甲子園・全国高校野球選手権大会ですが、六日から始まった熱戦も今日が決勝で閉会となります。そして、皆さんもこの熱戦の期間、テレビに釘付けになったことだと思います。今大会天理高校が、五年ぶり二十九度目の甲子園出場を果たしましたが、残念ながら二回戦敗退ということでした。

 その天理高校ですが、甲子園出場前の奈良県の地方大会で、相手のチームと共に感動を与えてくれたドラマがあったのです。天理高校は奈良県大会の決勝で、甲子園初出場を目指す公立校の生駒高校との対戦でした。結果21対0で天理高校が圧勝し優勝をしました。しかし、その裏には生駒高校本来の先発メンバー九人中五人が、試合の前日朝に体調不良を訴えコロナの陽性とわかり、出場断念せざるを得ない状況があったのでした。

 試合中一、二年生の投手陣が天理打線に苦しむ中、生駒のキャプテンは、「40点、50点取られても構わない。」と、声を掛けました。そして、天理高校の選手達も、生駒はベストメンバーでないと知っていながらも勝負なので一切手を抜かず、最後まで全力で真剣に戦ったそうです。そして、優勝した瞬間も生駒の選手達に配慮をし、マウンドに集まって喜ぶのを自粛して、すぐに整列されたとのことでした。また、天理高校の中村監督は、「今度生駒さんのベストメンバーと、練習試合をお願いしたいと思っています。」と、相手を気遣うコメントをされたそうです。そして、これらの天理高校の選手や監督の、相手チームを気遣う思いやりがテレビや新聞で称賛され、同時に改めて思いやりの気持ちを持つことの大切さを教えていただきました。

 思いやりの意味を調べて見ましたら、思いやりとは他人のことを親身に考え、察したり気を配ったりすることとあります。また、思いやりの語源というのは、文字にすると思いに遣り手の遣りと書いて、「思い遣り」と言うそうです。そして、「思い」とは、心の中の気持ちや相手に向かって動く感情などを指し、「遣り」とは、行かせるという意味。「心の中を相手に向ける」や、「相手に感情を行かせる」というニュアンスから、相手のことに親身になって気を配ることを、「思いやり」と、いうことでした。

 今世界ではコロナウイルスの影響や、ロシアとウクライナの抗争、他にも地震や水害など、さまざまな節をお見せいただいております。そして、これらの節から、たすけ合う姿が世界に広がってきていますが、けれでも、まだ国や人間同士の争いが絶え間なく続いている現状にあります。この争いの姿というのは、まさに我さえ良くば今さえ良くばという、自分勝手の姿だと思えてなりません。しかし、この争いの姿も私達人間一人ひとりが、相手を気遣い思いやり互に立て合っていけば、必ず治まっていくものだと思います。今世界は人類が本当に一つになって、たすけあいをしなくてはいけない時に来ています。そして、そのたすけあいのもとというのは、思いやりの心だと思うのです。ですから、今さまざまな節をお見せいただく中で、優しい思いやりの心を持って、たすけあいの和を広げさせていただきたいと思います。

 最後になりますが、大教会の記念祭まで一年と三ヶ月と迫ってまいりました。そして、四日後の二十六日にはご本部で、神殿の増築願いと、記念祭の臨時祭典願いのお許しをいただくことになっています。どうか、記念祭に向かって感謝の心と思いやりの心を大切にして、そして、記念祭当日を精一杯つとめ切ったという思いで迎えられるように、日々の歩みを進めさせていただきたいと思います。本日は有難うございました。