· 

2022年 9月月次祭 大教会長挨拶

 本日皆さんにはそれぞれお忙しい中と、尚も長引くコロナウイルスによる影響の中を、遠近を問わず九月の月次祭にご参拝をいただき、誠に有難うございました。そして、日々はお道のご用の上にご丹精を下さり、誠に有難うございます。

 はじめに、今月はお蔭様で修養科入学予定者二名と、教人資格講習会受講生一名をご守護いただくことができました。こうして、修養科生をお与えいただけたのは丁度一年振りになりますので、本当に有難く思っております。そして、講習生までもお与えいただけましたので、重ねて有難く思います。修養科生のお二人は若い男性の方で、北城真の会長さんの息子さんと、甥っ子さんです。そして、講習生は女性の方で、北城真の会長さんの妹さんです。全員北城真の教会の所属で、記念祭に向かうこの旬に、身内揃っておぢばに伏せ込むことができますので、とても尊い機会をお与えいただけたことだと思います。そして、そのことに加えて教養掛が、なんとこれまた身内の陸奥の会長さんですので、神様のお計らいというものを強く感じました。どうか、皆さんにはいつもお願いしてますが、修養科生さんと講習生の方に親しくお声を掛けていただき、お世話どりをくれぐれもお願いさせていただきます。そして、今回このように修養科生や講習生を、お与えいただけたことを皆さんと喜び合って、その喜びを追い風にして今後の丹精につなげていきたいと思います。

 さて、祭文でも申し上げましたように、今月末の二十八日から三十日まで、「身近な人へ御教えを伝えよう」をテーマにして、全教一斉にをいがけデーが実施されます。そして、今年はにをいがけデーが提唱されてから、九十年を迎えます。

 このにをいがけデーは、昭和七年八月十八日、「全国一斉路傍講演デー」として、青年会・婦人会の提唱により実施されたのが始まりです。そして、昭和十年には天理教校よのもと会が、毎月十八日に「全国一斉にをいがけデー」と提唱をし、以後実施されていましたが、戦時中一時中断となりました。ですが、終戦後の昭和二十二年に「路傍講演デー」として、いち早く復活をされたのでした。その後昭和三十九年には、より多くの人達の参加を促すため「全教一斉にをいがけ週間」となり、翌年から九月に一週間で行われていましたが、昭和四十八年から再び当初の八月十八日に定められ、現在の「全教一斉にをいがけデー」の名称となったのです。そして、その後平成十年からは九月を、「にをいがけ強調の月」と定め、月末二十八日から三日間を一斉活動日として、現在に至っております。

 このように、にをいがけデーには長い歴史があり、今年九十年を迎える訳であります。どうか、この大きな節目に花を添えられるよう、城山につながるようぼく信者が挙って参加をして、教祖の御教えを一人でも多くの人達に伝えられるよう、にをいがけにつとめ励ませていただきたいと思います。

 話は少し変わりますが、現在も尚も長引くコロナ禍にあり、また、世の中の急激の変化から受け容れ難いことなどあって、不安や心配を感じるところであります。そこで、その中でも前向きな人もいれば、反対になかなか前に進めないという方もおられると思います。これには受け取り方や、性格の違いなどの個人差があるので、難しいところだと思います。私達は毎日さまざまな心遣いをしてくらしておりますが、私達が一番多く使ってしまう心遣いというのは先案じの心遣いで、先のことを不安や心配をすることであります。私も先案じが強い方で、先のことを不安や心配をして考えてしまうことがあるのですが、しかし、結果いつも「考えても仕方がない。なんとかなるさ。」と、自分の中で勝手に解決をしてしまう、めでたい性格なんです。

 先日新聞を見ていましたら、沖縄の方言でも有名な「なんくるないさー」の記事がありました。私の姉のご主人義理の兄が沖縄の人で、以前に「なんくるないさー」と何度か言ってたのを聞き、私はなんとかなるさという楽観的な言葉だと思っていました。しかし、新聞の記事には、この「なんくるないさー」の言葉の前に来る言葉があり、それは「まくとぅそーけーなんくるないさ」と言い、これこそが本来の「なんくるないさー」だそうです。そこで、「まくとぅそーけー」というのは、「正しいこと、誠のことをすれば」という意味で、その後の「なんくるないさー」が「なんとかなるさ」を意味しているので、それらを訳すると、「挫けず正しい道を歩む努力をすれば、いつかいい日が来る」と、いう言葉になるとのことでした。

 現在もコロナの影響やロシアとウクライナの抗争、他にもさまざまな社会問題を抱える状況の中に、この先どうなるのかと、誰もが先案じをしてしまうところだと思います。ですが、先案じばかりしていると不安と心配がつもり重なり、後ろ向きな気持ちになって、そこから目標を見失ってしまい前に進めなくなってしまいます。ふしから芽が出る、ピンチはチャンスと聞かせてもらいますので、その中を教祖の御教えを心の頼りにして、そして、挫けず正しい道を歩む努力をしていけば、いつの日か必ず道が開けていくものだと思います。今年も残すところ三ヶ月あまりとなりました。今一度これまでの足取りを顧みて、残りの日々を前向きな気持ちで、記念祭に向かって更に勇んでつとめさせていただきたいと思います。

 最後になりますが、来月の二十二日は諸井世話人先生のご巡教をいただいて、秋の大祭をつとめさせていただきます。世話人先生には、毎年二度ご巡教をいただいておりますが、今年最後のご巡教となります。今回一人でも多くの方に、秋の大祭にご参拝をいただけるように、青森・岩手方面から帰参車両を出しますので、是非ご利用をしてもらい、ご参拝いただけますようお願い致します。そして、秋の大祭の四日後のご本部秋の大祭では、真柱様より、教祖百四十年祭に向けての諭達がご発布されます。当日心澄まして諭達をいただけるように、その数日前の来月のご巡教を、皆さんと心一つに受けさせていただきたいと思います。本日は誠に有難うございました。